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碧海の豊かな風土で可能性を育てる

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 校長コラム PRINCIPAL'S COLUMN   


        第6回 「仲間とともに歩む」          

30.7.1

                          校 長  坪 井 基 紀
 働くことについて、今大きな話題となっています。次男が保育園から小学校低学年の頃の出来事を思い出します。その頃の私は仕事の関係で朝6時前に電車に乗り、帰宅は深夜12時過ぎる位の生活を送っており、終電を逃し帰宅できない日も一ヶ月に何日かありました。休日に職場に行くこともしばしばあり、今から思うといつも疲れていましたし、気持ちにゆとりがありませんでした。それでも、次男とはよくキャッチボールをしました(と思っていました)。当時、次男が父の日にくれた手紙には次のように書いてあります。

  いつもお仕事を、朝早くから夜遅くまでやってくれてありがとう!
  学校がお休みのときには、雨でなければたまにキャッチボールをやって
  くれてありがとう! 6月15日(日曜日)


私は次男とは「よく」キャッチボールをやっていたつもりだったのですが、手紙には「たまに」と書いてありました。それが、子どもからみた正直な感覚だったのでしょう。 
 もうすぐ学校は夏休みに入ります。夏休みの出来事でも記憶に残る次男の声があります。それは次男が小学3年生のときに、家族で福井に行ったときの話です。ようやく休みが取れ、1泊2日で行きました。1日目、東尋坊や永平寺を見学し、夜は夕食のあと卓球やゲームをしたりして家族4人で楽しい時間を過ごしました。2日目の朝次男が「もう1泊したいな」とぼそっと言いました。日曜日と合わせてようやく取った休みでした。次の日は仕事が入っており、私は何も返事ができず聞こえないふりをするしかありませんでした。そのとき、高校生の長男が「お父さんは明日は仕事だ。わがまま言うな」とぴしゃりと次男に言いました。次男はしょんぼりして涙を浮かべているようにみえましたがそれ以上はもう何も言いませんでした。「もう1泊したいな」、私の耳には次男のその言葉がずっと残っています。今でも次男に「ごめんな」という気持ちでいっぱいです。 
 そんな自分の経験もあってか、家庭がしっかりしてこその仕事であると実感しています。平日も休日も早朝から深夜まで働き続けては疲れてしましますし、プライベートなことを考えたり取り組んだりするゆとりも時間もありません。やりがいや充実感を感じながら働き、仕事上の責任を果たすとともに、家庭や地域などにおいても楽しく安心して生活できるような社会にしていく必要があると思いますが、皆さんはどのようにお考えになりますか。働き方についての議論を本校でもしていきたいと思います。